アトピー性皮膚炎のかゆみを治す方法

腸内フローラを調えてアトピーのかゆみを治す

アトピーの辛いところは痒くて痒くて仕方ない所です。かき破るまで肌をかき続けるので、肌バリアーまで破壊してしまい、そこに黄色ブドウ球菌などが付着すると余計に痒くなるという悪化を招き悪循環に陥ります。アトピーを荒療治で治す場合、徹底してかかないという方法がありますが(某病院で実際にやっている方法で拘束具と手袋をしてかけなくする)、そこまでするのは普通に生活していると不可能に近いでしょう。

今回は、アトピーのかゆみの原因と共にかゆみを治す・和らげる方法について紹介します。

 

アトピーのかゆみの原因

アトピーのかゆみには抹消性のかゆみ(皮膚が刺激を受けてヒスタミンが放出して起こる)と中枢性のかゆみ(ストレスや内臓疾患が原因でオピオイドが作用する)の2種類があります。抹消性のかゆみについてですが、アトピーは掻けば掻くほどかゆみが増してしまいますが、掻いた刺激がヒスタミンの放出を促進するためです。通常の肌は角質層が持つバリア機能が働きますが、アトピー肌は、水分と油分が著しく欠乏している状態なので、表面の角質層が荒れて敏感肌になっています。

 

この敏感肌の状態は、ちょっとした外部からの刺激でもかゆみを感じてしまい、掻くとさらに角質層が剝がれてしまい、バリア機能が低下します。このバリア機能が低下すると肌はさらに敏感になり、前より刺激が少なくてもヒスタミンが放出されやすくなって、かゆみがさらに増してしまい、かゆみのスパイラルに陥ります。

 

中枢性のかゆみはオピオイドという脳内で分泌される神経伝達物質で、ヒスタミンに関係なく別のかゆみを感じさせる性質も持っており、内臓疾患で主に起こる症状ですが、アトピーの場合もストレスの影響で起こります。このように2つのかゆみの性質が複雑に絡み合ってかゆみが強くなっています。

 

アトピーのかゆみを治す・和らげる

アトピーのかゆみの原因が分かって頂いたと思いますが、対症療法として皮膚のかゆみを抑えていくこと、根本的治療法としてアトピーなどのアレルギー症状を治していく方法の2つがあります。かゆみを治したり、和らげる方法についてお話ししたいと思います。

かゆみを治す・減らす対症療法

冒頭に書きましたが、搔かないことがかゆみを治したり減らす方法の一つとしてあります。今は、アトピー用手袋が販売されているのでそれを使ったり、患部に包帯を巻いたりして掻きむしりを防ぐことが重要です。特に寝ている間は無意識に掻いてしまうので、しっかりと患部を保護します。爪は深爪まではいきませんが、掻いた時の肌のダメージが深くならないように常に短くしておくことも重要です。

肌に触れる着るものは綿や絹などの柔らかい刺激の少ないものを選びます。髪の毛やひげも刺激になりやすいのでマメに剃ったり短髪にしておく方が良いでしょう。血流が良くなると痒くなるので、お風呂はぬるいお湯で短めに、石けんは低刺激のものを泡立てからのせるように洗う事です。痒い時に、氷や冷やしタオルで幹部を冷やすと良く書かれていますが、これはNGです。冷やすと身体がその部分を温めようと熱を帯びるのでかゆみが増すことがあります。冷やすのであれば、熱を下げる方法と同様に脇を冷やしたり血管の近くを冷やす事(お腹など)です。熱の時はあまり効果はありませんが、気持ち良いと感じる頭を冷やすのも気分を落ちつかせるという面で良いでしょう。

 

かゆみを治す・減らす根本的治療法

アトピー性皮膚炎を治していくために大切なのは、対症療法を組み合わせて、腸内フローラの改善を中心にした根本治療を行い、アトピーの痒みに悩まされることがないサイクルを作ることです。炎症が抑えられるとかゆみを感じないようになってきます。この間に皮膚のバリアを回復させ、肌の健康を取り戻すと同時に、アレルギーが起きにくい体質を腸の環境を整えることで作り出す必要があります。